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シャクヤク(芍薬)の育て方 シャクヤク(芍薬)の画像

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シャクヤク(芍薬)
ボタン科 ボタン属 耐寒性宿根草
原産地 : 中国東北部からシベリア南部~朝鮮北部などのアジア大陸北東部
和 名 : エビスグサ(夷草)、エビスグスリ(夷薬)、ヌミグスリ、カオヨグサ(顏美草)
開 花 : 4~5月
花言葉 : つつましやか、 はにかみ、恥じらい、 内気 、生まれながらの素質
シャクヤクの名の由来はしとやかで美しい意の『綽約(しゃくやく)』からきたとの説もあります。

摘んできたシャクヤク 2009-5-14

畑に植えてある一重のシャクヤクを摘んできたところ  2009-5-14
このシャクヤク(芍薬)はもう36年間も我が家で咲き続けて、特にお気に入りの花の一つ。でも名前かわかりません。「肥後芍薬」とは違うでしょうね?
そういう風にも見えるのですが、とりあえず「和シャクヤク」だと思うのです・・
シャクヤク(芍薬)の花の様子

摘んできたシャクヤク


このシャクヤク(芍薬)の蕊(しべ)の様子はこうなっています。

シャクヤクの蕊(しべ)5-20


シャクヤクは平安時代以前に渡来し、江戸時代には茶花として鑑賞され、品種改良も行われた古典園芸植物です。
初夏にボタンに似た花が咲き、近年はシャクヤクの品種も多くなっています。

・和シャク
 江戸時代から育種栽培されてきた。
・洋シャク
 18~19世紀には中国からヨーロッパに渡り,ヨーロッパでも多くの品種が作出され
 栽培されてきて明治末期には日本へ輸入されたもの。
・オランダシャクヤク
 ヨーロッパで元々自生したものを園芸的に品種改良したもの。
・ハイブリット系
 種間交雑によるによるものも増えている。
・その他
 ペオニア・ペレグリナ、ホソバシャクヤク、ペオニア・ウィットマニアナ、
 ヤマシャクヤク、ベニバナヤマシャクヤク,ペオニア・ハイブリッド


開花期によって、4月中旬から開花する早生種、5月上旬から開花する中生種、5月下旬から開花する晩生種に分かれる。
シャクヤクの花色は 白、淡紅、紅、赤、濃赤、オレンジ、青、淡黄、紫、コーラル(サンゴ色)など。
花形は、一重(二重)、八重、半八重、バラ咲き、翁咲き、冠咲き、金しべ咲き、櫓(やぐら)咲きなど。
切り花にする場合は、できるだけ葉を残すよう(花の下2葉ぐらいのところでカット)に短く切ると、来年の花も期待できます。


シャクヤクとボタンの違い
従来はキンポウゲ科Ranunculaceaeに含められていたが、現在はボタン科になっています。
シャクヤクはボタンの台木として使用されるが、シャクヤク自体の花もとても美しく、中国の宋代には育種が始まったそうです。
シャクヤクとボタンは同じボタン属ですが、違いはシャクヤクが草本であるのに対し、ボタンは木本です。
シャクヤクは枝分かれしないでまっすぐに立つのに対し、ボタンは枝分かれしやすく横張りの樹形になります。
花の時期もボタン(牡丹)が咲き終わった後でシャクヤク(芍薬)の花が咲きます。
中国ではボタンが「花王」と呼ばれるのに対し、シャクヤクは花の宰相、「花相」と呼ばれる。
美人の姿を形容することばに「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」があります。

シャクヤク(芍薬)の育て方 露地植え
シャクヤク(芍薬)の育て方はボタン(牡丹)の育て方とほぼ同じです。
シャクヤクは冬には地上部が枯れて休眠します。

◆適した場所
日当たりと水はけのよい場所を選びます。
原産地からもわかるように、シャクヤク(芍薬)は耐寒性や耐暑性に強いです。
暖地よりも北日本での栽培に適していますが、暖地でも十分に花を楽しむことができます。
植え場所にはあらかじめ1~2ヶ月まえに完熟堆肥を3割ほど入れておきます。 
元肥は油粕、骨粉を等量使用し、残りの半分を肥効期間の長いマグアンプKなどの緩効性化成肥料を施用します。3月、6月の施肥は緩効性化成肥料を使用します。
シャクヤクは多肥を好みます。

◆植え付け方法
1)植え穴は直径、深さ共に40cmぐらいにして掘り上げます。
2)腐葉土または堆肥5~6リットルを掘り上げた土と混ぜて、半分くらい埋め戻します。
3)その上に油かす、骨粉を等量混ぜたものを両手で一杯分施します。
4)シャクヤクの根茎を置いたときに直接肥料が当たらないように土を2cmぐらい
  埋め戻します。
5)高さを見ながら残りの土を7~8分目戻し、ここで水をタップリ入れます。
6)周囲の土をかき寄せて地面より10~20cm高くなるようにします。
  芽が隠れる程度(3cmぐらい)に植えつけます。


品種にもよると思いますが、我が家の昔からあるもう一つのシャクヤクは株まわりが80~90cmになっています。5~6年ぐらいはそこに植えてあります。
花数は数えたことはないのですが、手入れを怠らなければ大株になり、一つの花茎からすべて咲くようになります。
何種類かのシャクヤクを植えるときは、大株にすることを考えて80センチ前後の間隔とします。


◆シャクヤクの手入れ
なるべくでしたら植え付け後の1年目は蕾を摘み取って花を咲かせずに株を充実させます。2年目から花を咲かせますが、1花茎に2~3の蕾がでるので一番大きな蕾を残して、1花だけ咲かすようにします。それも太い花茎だけの花を咲かせるようにして、細い花茎の蕾は摘んでしまいます。花後は早めに花がらを摘み取ります。

◆追肥
3月に芽だし肥を、花後は3要素等量(N10:P10:K10)の緩効性化成肥料(1花当たり3~5g)を施します。

◆病害虫
初夏~夏にかけて灰色カビ病や炭ソ病にかかりやすいので、予防がてらに定期的にベンレート、ダイセン水和剤などの殺菌剤を散布します。
ネコブセンチュウは,予め土を消毒しておくか、株の周囲にフレンチ・マリーゴールドを植えると効果があるとのことです。
コウモリガなどには発生時に殺虫剤を散布します。
ハマキムシなどは巻いてある葉を手でとり処分します。

シャクヤクの植え替え・株分け
適期は9月中旬~10月中旬です。
何年も同じ場所に植えたままにしておくと、花が小さくなったりまた芽数のわりに少なくなったりしてきます。そうなったら植え替えが必要で大株になっているときは株分けをします。

株分け、植え替えはできれば4~5年に1回は行うようにします。
花芽が形成されるのは10月~11月なので、それ以降の植え替えは新しい芽が張れないまま冬になりよい花が咲きにくくなります。遅くても10月末までには済ませます。
鉢植えを地植えにする場合は11月まで植え付けができます。
シャクヤクの春植えはボタン同様にその後の生育があまりよくないので、やむを得ない場合を除き避けるようにします。
関連記事 牡丹(ボタン)の育て方 花後の管理

シャクヤクは、年々芽の数がふえ、それに合わせて株が肥大して大きくなります。
上部の葉茎を半分ほど切ってから根茎(太い根)を傷めないように掘り上げます。
1)30cmぐらいの深さでエンピやスコップ大きく株のまわりを掘って、シャクヤク全体をそっくり持ち上げるようにします。
作業がしやすいように土を落としますが、細い根は切れても大丈夫ですが、根茎(太い根)は傷めないようにします。
2)3~4本の茎で1株になるように切り分けます。(手もしくはハサミ、ナイフなどで)
 丸く太った芽と細い芽があり、太った芽は花芽で細い芽は花が咲きません。

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鉢植えのシャクヤク(芍薬)
シャクヤクは、地下の根が発達するので、本来は鉢植えに向いていません。なるべく花壇に植えつけします。
でも鉢植えにしかできない場合は、大きめの鉢(最低でも8~10号鉢)に水はけのよい肥よくな用土を使って植えつけます。
シャクヤクの場合は一回り大きな鉢に毎年植え替えをします。

用土の例
赤玉土小粒4:腐葉土4:完熟堆肥(牛糞):2
3~4本の茎で1株になるように植え付けをします。

1)底に用土を少し入れ、NPK等量配分の緩効性化成肥料を軽く一握り入れます。
2)その上に用土を足してシャクヤクの根が直接あたらないようにします。
3)用土を隙間なく棒で突きながら入れていきます。

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シャクヤク(芍薬)の芽生えから開花までの画像

シャクヤク(芍薬)の芽生え   4/7

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芽生えてから2週間足らずでもう蕾がでています。  4/19

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蕾が見えてから約1ヶ月。シャクヤク(芍薬)の開花。バックはカモミール
2007-5-19

DSC02482-19-5-19-3.jpg


この頃になるとアシナガコガネが大集団で飛んできて、花という花や柔らかいバラの葉などに止まり食い尽くしてしまいます。それはすごい光景ですよ。
朝、畑に行くと開花したばかりのシャクヤクの花がもうこんな風になっています。

DSC02519-19-5%2018-1.jpg


バラの花はもっとひどくてたちまちこんなになってしまいます。
それが開花期とアシナガコガネが飛来してくるのが同時期なので困ってしまいます。
いろいろ防御策をとってはみたものの大変な作業のわりに効果がいまひとつなので、この頃は朝早めに開きかけた花を摘んでいます。でもバラは蕾までかじるのがいるのでお手上げ状態です。

DSC02529-5-18-2.jpg


アシナガコガネの被害に遭わないうちに摘んだシャクヤクとジャーマンアイリス
前の日に蕾を摘んだものです。

DSC03465-5-20-2.jpg


多分このシャクヤク(芍薬)は一般的に出回っているものではと思いますが・・・
やはり名前がわかりません。

DSC02423-19-5%2017-9.jpg


これらのシャクヤク(芍薬)とは別に今年もまた開花しなかった八重のシャクヤク(芍薬)もあります。
4~5年前(2009年現在で)に近くのひとからいただいたもので、このシャクヤクはまだ一度も咲いたことがないのです。
春に掘り起こして持ってきてくれたので、病気になったのか? それとも栄養不足なのか? 今年は掘り起こして植え替えてみます。

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シャクヤク(芍薬)あれこれ
肥後熊本藩6代藩主細川重賢(しげかた)の時代に、武士のたしなみとして始められたもので、6種類の植物が盛んに栽培、育種され、これを「肥後六花」と総称した。
キク、朝顔、椿、山茶花、花菖蒲等と共にシャクヤクもそこに加わっている。
この熊本で育種された系統を「肥後芍薬」と呼ぶ。これを含め日本のシャクヤクは一重咲きが中心で、特に雄蕊が大きく発達して盛り上がり、これを「金蕊咲き」といい、海外では「ジャパニーズ・タイプ」と呼んでいるそうな。

学名Paeonia lactifloraのPaeonia(パエオニア・ペオニア)はギリシャ神話の医の神「Paeon」からだそうです。
医の神「Paeon」はオリンポス山から取ってきたシャクヤクの根で、黄泉(よみ)の国王「プルートー」の傷を治したそうです。
黄泉(よみ)とは、死者の世界のことで、シャクヤクは死者の国の王の病も治すほどの効用があるということなのでしょうか・・